• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第8章 ディープパープル


六本木にあるテレビ局に入ると、すぐにメイク。
潤は先に済ませてる。
顔と髪型を作ってもらって戻ると、リハの関係でメンバーはもう全員集合してた。

「あれ…」

この局にきたら、いつもなら俺の隣は智くんなのに。
なぜか今日は、潤が俺の席に座ってる。

「…おはよ…」
「あっ…翔くんおはよ」

なんだか空々しく、潤は席を立った。
腑に落ちないながらもソファに座ると、智くんがふっと笑った。

「…なに…?」
「ん…?別に…」

ニノと雅紀は、仲良く隣同士でヘッドホンを分けて新曲のフリの確認をしてる。

潤はコーヒーを持ってきて、俺の向かいに座った。

「あ…俺もコーヒー飲みたいな」

智くんがつぶやくと、潤は弾かれたように立ち上がった。

「俺、持ってくる」
「…ありがと…」

ふふっと笑うと、おもむろに智くんは俺の顔を見た。

「なに?さっきから…?」
「えっ…いや、なんでもない…」

なんか…おかしい…

潤はいそいそとコーヒーを持ってくると、智くんに直接手渡した。

「熱いから気をつけてね」
「ん…ありがとう。潤」

そっと智くんの手を包むように手渡した。
そのまま潤は、じっと智くんの顔を見つめた。

「なあに?潤」
「えっ…いや、なんでもない」

慌てて手を離した瞬間、コーヒーが揺れて智くんの手に掛かった。

「あちっ…」
「ごめんっ…冷やそう…」

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp