第8章 ディープパープル
荒みきって楽屋に戻ると、ニノと雅紀が帰る支度をして出るところだった。
「あ、お説教短かったね」
「ばか…抉られたわ」
「ぶ…」
「お前も気をつけろよ、雅紀」
「もーね。ほんとうるさいねえ…ドラマやってるから、パパラッチ張り付きだよ…」
「ま、でも相葉さん大丈夫でしょ?」
「そりゃね。俺の恋人がニノだって知ったら、あいつらびっくりするだろうな」
そういうと、ニノの腰を抱き寄せた。
「ばか。そっちすっぱ抜かれる方が致命傷でしょ?」
「だから、バレねえって…」
「あんたがこんなことするからバレるでしょうが」
雅紀の手をニノはつねった。
「いててて…でも、そこがいい」
「はあ!?あんたマゾ!?」
言いながら二人は楽屋を出ていった。
「お疲れ~…」
ドアが閉まる間際、声だけ聞こえた。
「あーあ…あっちは災い転じてなんとやらだ…」
潤はため息を付いてソファに座り込んだ。
「まあな…まさかあんなスキャンダルで、あいつらがつきあうことになるとはな」
去年のニノの…スキャンダルとも言えないようなスキャンダル。
あれがきっかけで、雅紀とニノは付き合いだした。
ホモかよって最初はドン引きしたけど…
あいつらの仲睦まじい様を見てたら、もうきにならなくなってきた。