第8章 ディープパープル
借りてる部屋は、ミーティングルームで。
ドアを開けると、ジュリーさんがふんぞり返って座ってた。
「ああ…明日。これ出るからね」
ばさりとテーブルの上に文春を投げつけた。
「ま、決定的なことはなにもないから…こっちではなにもしないから」
「はい…すいませんでした」
「すいません…」
ちらりと、ジュリーさんは俺達を見た。
「あんたたちもいい年なんだからね…別に恋愛するなとは言わないわ…でもね、尻尾掴まれてるのにやることがずさんね?」
「はい…」
「…処分は追って知らせるわ」
「すいませんでした」
「馬鹿の後始末するこっちの身にもなってよ…」
ぐさり、刺さった。
「脳みそ、下半身についてるのかしら?」
「そんな…」
「今、自分たちがどんな場所に立ってるんだか、もう一回見つめ直しなさいよ。大野みたいに、晒し者になりたいの?」
ジュリーさんは言い捨てて部屋を出ていった。
チーフも後を追って出ていった。
俺と潤はその場で立ち尽くしていた。
「大野みたいって…なんだよ…」
「そりゃ…宮城のこと言ってんだろ…」
「ああ…」
実際…あの時は大変だった。
だけど、本人は多少荒んでいたけど、どこ吹く風で。
他人事みたいに涼しい顔してた。