第7章 グレイ scene5
「大体どうやって俺が布団になるのさ」
「ん~…」
「ちょっと、智くんっ、だからこれ着てってば!」
ネイビーのパーカーを手に持って、翔は焦ってる。
大野さんは楽屋のソファに寝転がったまま、また夢の世界へ行きそうになってる。
「おふとんねえ…こうするの…」
突然、大野さんが翔の腕を引っ張った。
「わっ…」
翔が大野さんへ覆いかぶさるように倒れ込んだ。
「ちょっ…智くんっ…」
「むへへ…しょうちゃん、いいにおい…」
「や、やめろよっ!変態!」
「人間ぶとん気持ちいい…」
すりすりと翔の胸板に大野さんは顔をこすりつけると、そのまま眠りに落ちていった。
「あ~…もう、しょうがないねえ~…」
ニノが立ち上がって翔を引き起こした。
「なに、この人溜まってんの?」
「知らねえよ…俺を女と勘違いしてんだろ」
違う
「ほんと、節操ないんだから…」
「穴あいてりゃ、なんでもいいのかな。智くん」
「ぶはっ…この人が翔さんを抱くの?笑える」
「はあ?案外抱き心地いいかもしれねえだろ?」
「嫌ですよ、私は」
「何もおまえに抱けとは言ってないだろ」
ねえ…何言ってるか、わかってるの?