第7章 グレイ scene5
ほっぺが赤くなって、目を逸した。
見とれてなんかないもん
暫くしたらパラリと雑誌をめくる音が聞こえた。
チラチラ相葉さんを見てたら、バスローブのままソファに座って雑誌を見てる。
「おまえ、髪乾かせよな」
「すぐ乾くよ、こんなん」
コントローラーをかちゃかちゃ操作してたら、にゅっと手が目の前に出てきた。
「な、なにすんのよ」
「ねえ、これ羽鳥さん?」
画面の”バード”って名前を指差した。
一緒に共闘してる仲間だ。
「そうだけど…」
「ふうん…」
「なによ」
「さっき、個別でメッセ来てた」
「えっ…見たの!?」
「見えちゃったんだもん」
最近、羽鳥さんとは夫婦ごっこして遊んでる。
俺はゲームの中じゃカワイコチャンキャラだから、そうやってふざけてるんだ。
「口説かれてんの?羽鳥さんに」
「ちーがうって…これ、ゲームの中だけ…」
床に座ってあぐらをかいてる膝をつつっと触られた。
「ちょ、やめてよ!集中できない…」
「ねえ、気分いいの?羽鳥さんに口説かれて」
「だから…違うって…」
バスローブがはらりとはだけて、腿が丸出しになった。
その内側を、相葉さんの指が這っていく。
「やめてよぉ…」
身体を捩って離れようとした瞬間、耳元に囁かれた。
「和也は、俺のものなのに」
低い、低い声だった。
ぞわぞわとぞくぞくが背中を這い登った。