第7章 グレイ scene5
「昨日、何があったんだよ…?」
潤と俺は、今は半同棲って状態で…
毎日一緒にいるわけじゃない。
それに昨日は生放送の日だったし…
あんだけむくんだ顔してたってことは、昨日から泣いてたはずで…
こんなことになるんだったら、一緒に暮らしておけばよかった。
潤は俺の目を見ない。
いつも二人きりだと、照れるくらいまっすぐに俺のこと見てくるくせに…
絶対、俺のことだろ…
「俺は…」
「ん?」
やっと潤が口を開いた。
「おれは…翔くんのなんなの…?」
「なんなのって…そりゃ、俺のカノジョだろ?」
途端に潤の顔が強張った。
「やっぱり…俺って、そこ止まりなんだね…」
「はあ?何言ってんだよ!」
「だって…!」
潤は暴れだした。
「翔くんはっ…俺とずっと一緒に居てくれるって思ってたのにっ…」
「ちょっ…潤っ…暴れるなって!どうしたんだよ!」
「俺のことは、カノジョとしか思えないんだろっ…」
「待てよ!何が不満なんだよ!?」
「だって…だってだってだってぇっ…」
うわああんっと声を上げて潤は泣き出してしまった。
「おいい~…どうしたんだよぉ…」
弱りきった俺は、潤の上半身を起こすとぎゅうっと抱きしめた。
とんとん背中を叩きながら、ひたすら潤が落ち着くまで抱きしめた。