第7章 グレイ scene5
「雅紀…」
「うん…?」
「今日…ずっと家に居たい」
「え?あ…うん。智がそうしたいなら、そうしようか」
にっこり微笑むと、智は緊張した顔になった。
「ど、どうした…?」
「だから…その…今日、さ…」
「うん…?」
「えっち…しよ!」
ぶあああっと智が赤くなった。
釣られて俺も赤くなった。
「え…えっち…っすか…」
「う、うん…」
ぎゅうううって、智が俺の服を握りしめた。
「だ、だめかな…?雅紀…」
「いやっ…そんなっ…駄目じゃないよ…むしろ…」
「むしろ…?」
「俺も…したい…です…」
がばっと智が顔を上げた。
「ほんと…?」
「うん…ほんと…」
「嘘いってない?」
「なぁんで…嘘いうんだよ…」
「だって…」
年末、俺、紅白の司会あったし…
優柔不断なのもあるけど……そういうこと、避けてたんだよね。
智にはすっごく悪いことをした。
司会が終わっても、4月から始まるドラマの打ち合わせだったり、なんだりで忙しくて…
結局こんな時期まで、俺たち…清い交際になっちゃったんだよなぁ…
「あのね、智…」
「ん…」
「俺、実はすっごいすけべなの」
「…知ってる…」
「でね、俺、実は智がすっごいすけべなのも知ってるの」