第7章 グレイ scene5
声にならない声を上げて、智は仰け反った。
…いや、全国にいるあんたのファン、みんな知ってるだろ…
「だから…待たせてごめんね…?したくなかったわけじゃなくって、俺も我慢してたの…」
「雅紀…」
「智…」
「ん…」
そっと手を差し出すと、ぎゅっと智は握ってくれた。
頭についてる寝癖が、ぴょこんっと跳ねた。
「今日は…僕と、いちゃついてくれますか?」
「う…うんっ…うんっ…」
ぶんぶんと頭を縦に振りまくってる姿が可愛らしくて…
ガシっと顎を掴むと、キスをした。
「ん…」
くぐもった声が聞こえたかと思うと、俺の背中に腕を回してぎゅっとしがみついてきた。
唇が離れると、今までみたこともないような顔をした智がいた。
「…たくさん…愛し合おう…?」
「…もちろん…骨までしゃぶってあげる…」
「ふふ…雅紀のおしゃぶり、凄そう…」
「そう?やったことないけどね。男のって」
「ぶっ…お、俺だってないもんっ…」
暫く、お互いの顔をまじまじと見つめ合った。
「…好きだよ…智…」
「…好きだよ…雅紀…」
ゆっくりと、再び唇は重なった。
この後の甘い時間は…
皆には、ナ・イ・ショ♡
END