第7章 グレイ scene5
「ねえ、今日はどうする?」
「んーそうらね…」
もうすぐ、俺はドラマの撮影に入るから忙しくなる。
二人揃っての休日は、少なくなるから…
今日はどっか行こうねって。
ずーっと約束してたんだ。
「ましゃきは、らにがしたい?」
歯ブラシを咥えたままだから、上手に喋れてない…
「そうだねえ…智と一緒なら、なんでもしたいっ!」
「ぶっ…も、もう…」
俺たち…こんな性格なもんだから…
優柔不断で、結局何をするか決めらんなかった。
しょうがないから、今日起きてからしたいことしようってなってたんだけど…
この段階になっても、まだ決まらない。
っていうかね…
こういう性格だからさ。
ずーっと両思いだったんだけど…
実はつきあったのもつい最近なんだよね~…
ほんと周りからはじれったかったって言われて…
特にニノ…
あやつは、もうほんっとにすっごい俺達のことを煽っていたそうな…
ふたりとも、じぇんじぇん気づいてなかったけど…
「…なに笑ってるの…?」
智が顔をびしょびしょにして、鏡越しにこっちを見てる。
「…ううん…俺達って、じれったいねって思ってさ…」