第7章 グレイ scene5
「智くん…ニノは…どうしてるの…?」
ご飯を食べ終わって、翔くんがお茶を淹れてくれた。
きっとずっと聞きたかったんだろうけど、翔くんは聞けずにいたんだと思う。
「…今は、相葉ちゃんが面倒見てる…」
「え…?雅紀が…?」
「ニノ、ちょっと普通じゃないから…今…」
ぎりっと翔くんは唇を噛み締めた。
言いたいことはわかる。
「翔くん…ニノを…責めないで…?」
「…なんで…」
「俺が…ニノを追い詰めたんだ…ごめん…」
「え?どういうこと…?」
…あの日…
俺はニノを訪ねた。
元気がなかったから励まそうと思ってた。
だけど会った瞬間、ニノは泣き出して…
潤が、翔くんを選んだと。
そしてアルコールでおかしくなってた潤を、翔くんが立ち直らせたのだと…
敵わないと言って、ニノは泣いた。
散々泣いた後、ニノはちょっとおかしくなっていた。
「ねえ…大野さん。俺、なんかしたかな…」
「何言ってんだよ…」
「なんか悪いことしたかな…なんで…なんで潤くんは翔さんじゃないと駄目なんだろ…」
「ニノ…」
「なんで俺じゃ駄目なの…?あんなに…」
「おい、ニノ…」
「あんなにたくさん愛してくれたのに…」