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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第7章 グレイ scene5


「潤…お願い…目を覚まして…」

翔くんが病室で潤の手を握る。
酸素マスクを付けた潤は、目を開けない。

潤は通り魔に遭って、刺された。

世間にはそのように報道されていたが…
事実は、ニノが潤を刺した。

痴情のもつれってやつだ。
一度はきちんと精算したらしいけど…

ニノに刺された潤は、事の発覚を恐れたんだろう。
現場からだいぶ遠くで発見された。
その時には血が身体から出過ぎてて…

今でも意識は戻らない。

「さ…翔くん。面会時間が終わるから…戻ろ?」
「智くん…」

動こうとしない翔くんを無理やり立たせると、病室を出た。
廊下ではマネージャーたちが待ち構えてて、俺たちを取り囲むと病院から出してくれた。

病院の周りにはたくさんの報道陣と、潤のファンが押しかけていて大変な騒ぎになっていた。

「…暫く、面会は控えてくれよ…」
「…ああ…」

翔くんはうつむいたまま無言で…
代わりに俺が答えておいた。

翔くんの家に着くと、俺も一緒に車を降りた。

「智くん…」
「いいから。なんか飯作るよ」

最近俺は、ずっと翔くんの側にいる。
放っておくと、ご飯も食べないから…

「さ。行こう?」

ふにゃんと笑うと、翔くんは少しだけ笑った。

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