第6章 ショコラ scene4
散々潤は暴れたけど、体力がないからすぐにぐったりとした。
「も、好きにしろや…」
されるがままになってる潤は苦笑していた。
思う存分撫でたら、俺たちは満足した。
「もー…ちゃんと手ぇ洗えよ?」
「おう…じゃ、俺たち行くから」
「ん。気をつけてね。見舞、ありがとう」
「ゆっくり休めよ?」
そういうと布団から手だけ振った。
座敷を出て、潤のご家族にあいさつをした。
そのまま客間に通されて、行長先生とちょっとだけお話をした。
「だいぶ元気になってらっしゃったでしょう?」
「ええ。安心しました」
「おや…なにかいいことでもありましたか?」
「えっ?」
「お二人とも、いい顔されてる」
やっぱり、先生には隠しておくことはできないんだろうなあ…
「松本さんは大丈夫ですよ」
「ええ。そう思います」
にっこりと先生は笑った。
「櫻井さんも、相葉さんも…いろいろと乗り越えることがこの先あります」
「え?」
「ですから、立ち止まらないで…前を向いていてくださいね」
先生のこの言葉が印象に残った。
家に帰ったら、俺達は無言でソファに座った。
なんだかふたりともいろいろ考え込んでしまっている。