第6章 ショコラ scene4
「…やっぱ、気ぃ使う?」
雅紀が急に真面目な顔になった。
「あ…いや、別にさ。そんなに気は使ってないけどさ…」
「寂しい?」
「え?」
…おい…ストレートすぎんだろ…
そう思ってたら、ぶーっと潤が吹き出した。
「さ、寂しいって…何言ってんだよ…」
「潤!真面目にきいてんの!」
「いや…ぶふ…あのさぁ…」
目の端に浮いた涙を拭くと、潤はじっと雅紀の顔を見上げた。
「俺さぁ…別に仲間はずれになったとか思ってないからね?」
「そ、そんなことしてないもんっ!」
「だからぁ…わかってるって」
苦笑すると、手を差し出した。
恐る恐る、雅紀はその手を握る。
「俺にはちゃんと彼女居るしさ。それにあんたたちは、仲間なんだからさ。そりゃ、仕事場に痴話喧嘩とか持ち込まれたら怒るけどさ…普通に付き合ってんだから…」
「潤…」
「愛し合ってんだろ?」
「ぶっ…ちょ、おまっ…」
「だったらさ。俺に悪いなって思うのは、間違ってるからね?」
小さな小さな潤…
強い男になった
ぐしゃっと潤の髪の毛を撫でたら、雅紀も一緒になって撫で始めた。
「やっ…やめろ!俺、風呂入ってないんだから、汚いからさわんなっ…」