第6章 ショコラ scene4
潤の身体が大きく飛び上がった。
「雅紀っ…」
「相葉さんっ…」
そのまま潤はソファに寝転がる雅紀の上に降りた。
馬乗りになるような形で、雅紀に覆いかぶさっている。
「やめろっ…」
叫んだ瞬間、天井から白いものが落ちてきた。
ひらひらと通風口から落ちてきたのは白い紙だった。
その紙は不思議な形をしていた。
そう…あの奥様の身につけていた行長先生の形代のような形…
「あっ…」
その紙はすーっと雅紀と潤の間に浮いた。
かと思ったら大きく広がって、潤を押し包んだ。
ぎゃあああああっと絹を割いたような叫び声が聞こえたかと思うと、潤の身体が床に倒れ込んだ。
そのままもがいているが、紙はどんどん潤の身体を押し包んでいく。
「雅紀っ…こいっ…」
智くんの身体を抱えたままだったから動けなかった。
雅紀は呆然としながらも俺の方になんとか歩いてきた。
「翔ちゃんっ…」
「大丈夫…こっちに…」
片手で智くんを抱えながら、雅紀の肩を抱き寄せる。
少し、震えていた。
暫く見守っていると、潤はもがき苦しんでいたがやがて動きが止まった。
同時に、控室のドアが外から開かれた。
「ご無事ですか!?」
奥様が飛び込んできた。