第6章 ショコラ scene4
コンサートは無事に大楽を終えることができた。
この後すぐに東京にとんぼ返りだから、アンコールが終わった後、すぐに楽屋に戻った。
護符は一番最後に剥がそうって言ってたから、そのままにしていた。
荷物をまとめ終わって、ホテルから持ってきた荷物も一緒にまとめたところで、控室のドアが閉じられた。
「あれ?誰か閉めた?」
智くんとニノ、そして雅紀と俺。
部屋の中には4人しかいない。
「もお…これから荷物出すっていうのに…」
ニノがドアまで歩いていってノブに手をかけた。
「え…」
「どした?」
「開かない…」
焦ってガチャガチャやってるニノに智くんが駆け寄る。
一緒にドアを開けようとするけど、ドアはびくともしなかった。
「ど…どうしようっ…」
ニノが泣きそうな顔で智くんを見る。
雅紀も俺の手をぎゅっと掴んできた。
「落ち着け。護符があるから、大丈夫だから…」
そう言って智くんはニノの肩を抱き寄せた。
マネージャーに電話をしてみたけど、通じなかった。
「…護符はちゃんと身につけてるよね?」
「うん…大丈夫…」
ぎゅっと手に護符の入った巾着を握りしめてる雅紀は、真っ青だった。