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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第6章 ショコラ scene4


次の日から、奥様は控室の隣の部屋にずっとスタンバイしてくださっていた。
行長先生の形代と共に、俺達を見守ってくださってる。

案の定と言うか…潤は奥様には一切触れない。
姿は見ているはずなのにな…

やっぱり潤の中身は猫鬼に取って代わられてしまっているのだろうか…

でもコンサートなんかやっててもいつもの潤と変わらないし。
ステージが終わるまで、すっかりとそのことを忘れていることさえあった。

ただ…

暗闇で潤を見ると、必ず目が光ってる。
どこからか光が当たってるわけでもなんでもないのに。
それだけが俺の背筋を冷たくさせた。

生霊の美々子さんに乗っ取られていたときのことを思い出す。

あの時のことは思い出すだけで疲れる。
潤もきっと今、同じような感じなんだろう。
一切表に潤が出ていないと奥様は仰っていたから、相当潤は抑え込まれているんだろう。

今の潤は操り人形なのだそうだ。

潤であっても中身は猫鬼であって、潤ではない。
潤の身体に残る記憶や習慣で猫鬼は動いているだけだと奥様は仰った。

事実、俺も美々子さんに乗っ取られているときはそんな感じだった。

でもどうにも疲れてしまって、美々子さんを押しのけて表に出ることがどうしてもできなかったのだ。

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