第6章 ショコラ scene4
さっき見たことを喋りながら、雅紀の淹れてくれたコーヒーを飲んで、少し落ち着いた。
「じゃあ…この護符がなかったら…」
「ああ…やばかったかもな…」
智くんの首の手の痕は、だんだん薄くなっていった。
「潤…どうしたかったんだろ…」
「さあ…」
まんじりともしないで、朝がきた。
6時を過ぎて行長先生に連絡を入れると、すぐに出てくださった。
護符のことを話したら、すぐに送ってくれると約束してくれた。
明日には護符が到着するように手配してくれるとのことだった。
『深夜から明け方、絶対に一人にならないよう気をつけてください』
「なにかあるんですか…?」
『丑三つ時ですね…』
「ああ…」
『心願成就を願う人には、この時間帯は大切な時間ですから…』
「呪いの他にも、願掛けもされてるってことですかね…?」
『わかりませんが…この時間帯に行動を起こしたとなると、その可能性もありますね』
頭がパンクしそうだった。
『櫻井さん…落ち着いて』
「わかってます…」
『護符などはすぐに手配しますから…今日繋がる番号を教えておいて貰えませんか?』
「わかりました」
宿泊するホテルを告げ、マネージャーの番号を教えると電話を切った。
部屋には、重い沈黙が流れていた。