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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第6章 ショコラ scene4


あと一歩というところで、潤は身体を翻して部屋を出ていった。

暫く、そのまま動けなかった。

「う…」

智くんの呻き声が聞こえて我に返った。
ベッドヘッドの方にある部屋の電気をつけると、智くんは眩しそうに俺を見上げた。

「翔くん…?」
「智くんっ…大丈夫!?」
「どうしてここに…?」
「覚えてないの?」
「え…?」

智くんは起き上がって喉を押さえた。

「あ…」
「え…?」
「ちょっと見せてっ…」

手をどけると、首にくっきりと手の痕が残っていた。

「嘘だろ…」
「え?なに…?」

とりあえず、智くんの手を引いて部屋を出た。
そのまま俺の部屋に連れて行くと、ニノが智くんに飛びついてきた。

「大野さんっ…」
「ニノ…?」

ニノも智くんの首に気づいた。

「これ…」

部屋の入り口に大きな姿見があって、智くんはそれで自分の首元を確認した。

「なにこれ…」
「潤くんが…来たんだよ?覚えてないの?」
「えっ?潤が?」

俺は荷物の中からマスキングテープを探し出して、護符をドアに貼り付けた。

「翔ちゃん…潤は…?」

雅紀が聞いてきても暫く答えられなかった。

「…とりあえず、これで潤はこの部屋には入ってこれないから…」

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