第6章 ショコラ scene4
ゆっくりと室内に足を踏み入れる。
部屋の中は真っ暗だった。
やっぱり空気が冷たい。
同じような部屋の作りだから、そのまま進んでいくとベッドの方で音がした。
「智くん…?」
暗闇に目が慣れてくると、ベッドの上に人影があった。
「潤!?」
潤がベッドの上にいる。
その下には…ぐったりとした智くんが見えた。
「智くんっ…」
振り返った潤が俺を見た。
目が、光った
「やめろ…潤…」
潤の手が、智くんの首に掛かってる。
ぴくりとも動かない智くんの姿に、背筋が寒くなった。
ゆっくりと潤は俺から視線を外し、智くんを見た。
そのまま顔を近づけていく。
「潤っ…」
慌てて潤の身体を突き飛ばそうとした。
「うわっ…」
突然潤が飛びかかってきて、俺は床に倒れた。
シャーっという声を上げて、潤はドアの前に立ちふさがるようにこちらを見ている。
「なんだ…?」
なにか猛烈に嫌がってる。
「もしかして…これか?」
護符を潤のほうに突き出すようにすると、潤は一層俺を威嚇した。
「…部屋に帰るんだ…」
ゆっくりと護符を突き出したまま潤に近づく。
「いいか…潤、部屋に帰るんだ」