第6章 ショコラ scene4
明け方、部屋をノックする音で目が覚めた。
「なんだ…?」
寝ぼけながらドアスコープを覗くと、ニノが立ってた。
慌ててドアを開けると、真っ青な顔をしてる。
「どうした!?」
「翔ちゃん、どうしよう…大野さんの部屋に潤くんが…」
「えっ!?」
「潤くん、さっき部屋に来て…ドアを開けたら俺だけ廊下に突き飛ばされて…」
ガクガク震えてるニノに上着を着せて雅紀を呼んだ。
「いいか、俺が見てくるから…お前らここで待ってろ」
「翔ちゃん!俺もいくから!」
「雅紀はここにいろ」
すぐに部屋を飛び出した。
智くんの部屋の前に立つと、空気がひんやりした。
「マジか…」
ドアノブに手をかけようとしたとき、雅紀が走ってきた。
「翔ちゃん!」
「何してんだ!部屋にいけ!」
「これ…」
手には行長先生の護符が握られてた。
「持っていって?」
「わかった…ありがとうな」
雅紀はきゅっと口を引き結ぶと部屋に戻っていった。
ニノが真っ青な顔をして、俺達の部屋の前で立ってこっちを見てる。
頷いて、ドアノブを押すと簡単にドアは開いた。
オートロックなはずなのに…簡単にドアは開いた…
嫌な予感しかしない。
だけど、行くしかない。