第6章 ショコラ scene4
マネージャーに太宰府まで飛んでもらって、太宰府天満宮の御札やお守りを取り寄せた。
こんなことくらいじゃどうにもならないのかもしれないけど…
なにもやらないよりマシかなと思って。
とりあえず皆に配って、様子を見ることにした。
「あ」
ニノが財布から何か出した。
「相葉さんにこれ…」
財布から出てきたのは行長先生の書いた護符だった。
「俺、黒に憑かれないように持ち歩いてたんだけど、これって呪術用のらしいんだ。黒は別にそういうんじゃなかったから、全然効き目なかったけど…相葉さん持ってたらいいよ」
「え…でも…」
「いいから。私よりもあんたのほうが敏感なんだからさ。こういうのあったほうが安心するでしょ?」
「ニノ…」
ニノがしつこくすすめるから、雅紀は渋々受け取った。
「でも、俺よりもニノが…」
「大丈夫!俺は黒以外に取り憑かれたことないから!」
「そりゃそうだけどお…」
チーフと潤の担当マネにも話は通しておいた。
雅紀やニノの件は事務所も把握しているから、話は早かった。
行長先生から聞いたことを伝えたら、チーフは頭を抱えた。
「どうするんだ…松本にもしもの事があったらコンサート中止だぞ…」