第6章 ショコラ scene4
俺は副社長経由じゃないことを詫て、潤の話をしてみた。
俺たちやニノのことだったら、一応は顧客だから直接連絡をしてもいいんだろうけど、今回は面識はあるけど客だったことのない潤の件だったから…
『大野さんも相葉さんも、なにか良くない感じだとおっしゃってるんですね…?』
「はい。俺もなんだか鳥肌が止まりませんでした」
『ふうむ…』
行長先生は人の魂が専門で、”人じゃないなにか”については苦手とのことだ。
現に黒のときは、智くんの力が大きかったのだから。
『わかりました…少しスケジュールを調整してみます。お手数ですが、今の松本さんの写真を撮って送っていただくことは可能ですか?』
「やってみます」
以前、メールアドレスは聞いてあるので、あとで画像を送ることを約束して電話を切った。
「どうだって…?」
雅紀が不安げに聞いてくる。
「いや…今の段階じゃどうしようもないだろ…とりあえず、雅紀は潤に近づかないこと。智くんは…良かったら雅紀のことフォローしてもらえたらって…俺からも頼みたいんだけど…」
ニノは智くんの顔をじっと見て、心配そうだ。
智くんもニノを見つめ返して微笑んだ。
「ん。俺なんもできないけど、やってみる」