第6章 ショコラ scene4
「おまえ真っ青じゃないか…どうしたんだ?」
「うん…」
そう言って雅紀はスマホを握りしめてる。
「リーダー…何かわかった?」
「うん…はっきりとは見えなかったけど、なんか憑いてる…」
「やっぱり…」
雅紀とリーダーが要領を得ないが、話してくれたことをまとめると…
潤になにか取り憑いてるらしい。
それも人間じゃないなにか。
「ま?また…?黒じゃないの?」
智くんに振ると、首を横に振った。
「いや…あんな暖かい感じじゃない…なんかこうもっと…怖いし冷たい感じ…」
雅紀も頷いている。
「俺はまったく見えないけど…でも潤の周りがなんか、変な空気で…」
智くんがあんなに表情をこわばらせるなんて…
雅紀は年中怖がってるけど、これは大変なことになるんじゃないか…
そう思ってると、雅紀の携帯が鳴った。
「あ!翔ちゃん。行長先生なの。さっきから電話通じなくて…」
「ああ…じゃあ俺が…」
今の雅紀じゃ上手くしゃべれないだろうと、俺が代わりに出た。
『お久しぶりです、行長です』
先生の声は相変わらずのんびりとしていた。
「あ、すいません。櫻井です」
『おや…これは相葉さんの携帯では?』