第6章 ショコラ scene4
雅紀は飛び出すように飛行機から降りていった。
慌てて俺も追いかけようとしたけど、潤が前でつかえてて追い越せない。
いつもとは全然違う、ゆったりとした動きで…
悪く言ってしまえば、とろいくらいで。
「おい、潤?どうしたんだ?」
背中から声を掛けると、ゆっくりと潤はこちらを見た。
なんだか知らないが、目があった瞬間、全身が総毛立った。
「ごめんねぇ…」
ぽつりとつぶやくと、潤は出口に向かっていった。
「な…なんだこりゃあ…」
まくり上げた袖から見える腕に、鳥肌が立ったままだった。
後ろに立ってる智くんが、固まってる。
「なに…?どうしたの?」
「いや…」
増々顔が青い。
後ろがつかえてたので、慌てて出口から出る。
先に行っていた雅紀の姿は見えなかった。
荷物を受け取るまで少し時間があったので、個室のラウンジに通されて待つ。
そこにも雅紀は居なかった。
智くんはじっと潤を監視するように見ている。
しばらくすると雅紀が部屋に入ってきた。
「翔ちゃん、ニノ、リーダー…ちょっと…」
隣の個室を借りたらしく、そこに入っていった。
マネージャーも誰もおらず、さっきの部屋よりこじんまりとした部屋には俺たち4人だけだった。