第6章 ショコラ scene4
「ん?」
雅紀が突然足を止めた。
「どうした?」
「んー…」
その視線の先には潤が歩いてた。
「なに?潤がどうかした?」
「ううん…」
雅紀は考え込むような顔になり、慌てて周りを見渡した。
「ねえ、リーダー!」
近くを歩いていた智くんとニノを捕まえて、何やら言ってる。
「なんかおかしいんだって…」
「えー?まちじゅんが?」
そう言って寝ぼけてる智くんはじーっと潤の後ろ姿を見てる。
俺らの乗る飛行機の搭乗アナウンスが流れている。
足早にスタッフが歩み寄ってきて、俺らを搭乗口まで促す。
「どうしたんだよ?」
「わかんない…わかんないんだけど…」
不安げな雅紀はずっと潤の背中を見てる。
智くんもなにやら潤を凝視してる。
「と、とりあえずいきましょうよ」
ニノが二人の背中を押して歩き出した。
ファーストに乗り込んで、周りはスタッフでがっちり固められてるから、俺達はずっとガードされてる。
でも潤だけ、なんだか今日はおかしかった。
「松本さん!そっちじゃないです!」
慌ててマネージャーに引き止められて、やっとで席に着いていた。
「どうしたんだ…?」
「わかんない…なんか潤くんの様子、変ですね…」
隣の島にいるニノがずっと不安げにしてる。
雅紀と智くんはなんだか顔色が悪い。
ファーストだから席の間隔は広くて、潤の方を伺うことはできない。
そうこうするうちに飛行機は福岡に到着した。