第6章 ショコラ scene4
「ぐ…ぐるじいっ…」
「俺っ…ほんっとおれ…翔ちゃんと付き合えて良かったっ…」
「ま、まさぎ…」
「一生、離れないでね?しょうちゃんっ…」
「わ、わがったがら…」
腕に力が入らなくなってぼすっと雅紀の上に倒れ込んだ。
細っこいくせに、このくらいの衝撃じゃびくともしない。
「しょうちゃあああんっ…」
「なくなよお…」
えぐえぐ泣いてるくせにぽいぽい服を脱ぎ捨てて、雅紀は生まれたままの姿になった。
「はやくだいてええ…」
「わかったから…まずは泣き止め…」
ベッドサイドの棚に置いてたティッシュで顔を拭いてやるけど、涙はとめどない。
暫く泣くに任せていたら、雅紀はそのまま眠ってしまった。
「おーい…」
ぷにっと頬を突いてみても起きない。
「どうしてくれんだよ…俺のフランクフルト…」
そう囁いたらにへっと笑った。
「おまえが姫はじめとか言ったくせにさあ…」
にやにやと笑いながらも、でも呼吸は完全に寝息。
夢と現実の間でゆらゆらしてんだろう。
「もういいや…寝ちまえ」
そう言って頭を撫でようとしたら、目の前を突風が走った。
「うをっ…!?」
咄嗟に目を閉じて身体を雅紀に覆いかぶせる。