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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


東京に帰ったら忙しい日々だった。

新年から仕事は詰まってて、でも充実はしてた。
心の片隅にはいつも潤が居て…

なんにも約束のない関係だけど、潤の存在は俺の心を浮き立たせるのに充分だった。

でも、やっぱり。

ブレーキを掛けてる。

それは男同士だからとか、俺達が芸能人だからとか…
潤に付き合ってる彼女がいるからとか

いろんな理由からだったけど…

逢いたい

とは、言えなかった。

ずっと取ってきた距離…
それを埋めるのは容易じゃなかった。

潤がどんな生活をしているのか知らないし。
どんな趣味を持っているのか知らないし。
友人はどんなやつがいるのか知らないし。

知らないことだらけで…

レギュラーの収録の日。

コンサート以来、初めて顔を合わせた。

相変わらず目も合わさず、一定の距離を取る。
あの時はあんなに近づいたと思ったけど…
非日常だったから。

日常に戻ってしまった今、どうしていいんだか皆目わからなかった。

収録が終わって帰る準備をしていたら、潤が近寄ってきた。
思わず目を合わせると、潤は頷いた。

どこか行こうってことだろう。

頷き返すと微笑んで…

家に帰ってから連絡してみたら、もう家の前に居るって言われた。

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