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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


その日はリハーサルが終わると、すぐにホテルに戻った。
ツアーもラストになってくると、仕込みにも時間はかからない。
潤はまだドームに残っているけどね。

すぐにシャワーを浴びてバスローブのままくつろいでると、部屋をノックする音が聞こえた。

「開いてるよー」

そっとドアを開けて入ってきたのは潤だった。

「え?あれ?もう戻ったの?」
「うん。抜けさせてもらった。もう決めることなかったし…」

もじもじしながらドアの前で立ってるから、立ち上がって潤の腕を引いた。

「翔くん…」

潤の背中にあるドアの鍵を締めると、潤をぎゅうっと抱きしめた。

「充電、させてやる」
「え?」
「いっぱい、俺を充電してけよ」

彼女と別れるのに、多分ものすごいパワーを使ってる筈で。
弱ってるんだろうなと思った。

潤も俺の背中に腕を回してぎゅうっとしがみついてきた。

「うん…ありがとう…」

そのままベッドに倒れ込んで抱き合ったまま俺たちは眠った。

福岡にいる間、ずっと潤は俺の部屋で眠っていった。

こんなこと今までなかったから、周りは驚いてた。

こんなにべったりするのは、学生時代以来だったから。

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