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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


次の日から福岡に入った。

コンサートツアーのラスト。
これが終わったら、暫く俺はレギュラー以外の仕事はなくなる。
潤は次の映画の撮影の準備に入るとのことだった。

行きの飛行機の中ではバラバラに座って。
空港に迎えに来ていた車に乗り込んでもバラバラで。

ドームの控室に入ったとき、やっと潤と目が合った。

「あ…」

潤と久しぶりに目を合わせても、何を言えばいいのかわからない。

「えっと…俺、ステージ行ってくる」

演出の潤は、早速ステージの上がり具合を確認しにいった。

これからリハが始まるから、ジャージに着替えて俺達は待機した。

スタッフに呼ばれてステージに行くと、もうあらかた組み上がっていた。
ステージに登って、ツアー最後の挨拶を一人ひとりした。
潤は演出席からの挨拶だった。

俺達の距離は…離れてる

それはずっとそうしてきたから。
意識してそうしてきたから。

一旦、控室に帰って次の指示待ちをしている間、俺はソファで横になっていた。
別に疲れているわけじゃないんだけど、何をしていても落ち着かなかったから。

目を閉じると、昨日のことが思い出された。


なあ…潤…


俺たち、どこに向かっていけばいいんだろうな…


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