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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


「俺は…なに?」

ぎゅううっと潤の腕に力が入った。

「言って…?翔くん…」

潤の匂いをこんな近くで感じる。
頭の中が、潤でいっぱいになる。

「好きだ…」

精一杯だった。

「うん…ありがとう…翔くん…」

ふらりと身体が離れたかと思うと、ストンと潤が隣の椅子に座った。

「あはは…腰、抜けた…」

そう言って潤は泣き笑いを浮かべた。

「俺たち…両思いだったんだね…」

俺の手を取るとぎゅっと握った。

「…すごく回り道しちゃった…」

つぶやいた声が、重く心に響いた。


それからずっと俺たちは手を繋いだまま座っていた。
お互いの気持ちがわかったからと言って、俺達を取り囲む状況は変わるはずはない。

それは潤もわかっていると思う。

おまけに俺たちは男同士だ。
こんなこと、世間では許されるものでもなく。
芸能人である俺たちには、あまりにも障壁がありすぎた。

繋いだ手のぬくもりだけが確かなもので…

後は、不確かなもの。

「これから…どうする…?」

俺の問いに、潤は微笑んだ。

「なるようにしか…ならないんじゃない…?」

なるようにしか、ならない…

それが、何を意味するのかは俺にはわからなかった。

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