• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


「な…に…?」
「だから…彼女は、ある人の代わり。それは…彼女もわかってる」
「何言ってんだよ…」
「…俺、嫌じゃなかった」
「え?」
「昨日、あんなことされても翔くんを嫌いになれなかった。むしろ…嬉しいとすら思った」

透き通るような笑みを見せると、潤は俺の頬に触れた。

「俺はね。ずっと心に誰か居たんだ。小さな頃からずっとね。だけど、それが誰なのかわからなかったし、その人に対して抱いてる感情が何なのかもわかってなかった」

彼女はつきあい始めにそれに気づいたそうだ。
潤の心は自分にはない。
だけど、それでいいと。

「ずっと蓋をしていたんだ。こんな感情に気づいたら、俺はその人の側に居られなかったからね」

ゆっくり立ち上がると俺を腕に抱きとめた。

「それが、わかった。…その人は、翔くんだよ」

頭が、混乱して…
すぐに何かを言おうとしたけど、言えなかった。

「好き…なんだと思う」
「え…?」
「俺、翔くんのことが…ずっと好きなんだと思う」
「”なんだと思う”って…確信持てないのかよ…」
「だって…俺たち男同士だよ…?そんな簡単に、確信持てると思う?」
「いや、俺は…」

俺は、持てる。

っていうか、そのことばっかり考えてたっつーの。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp