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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


「翔くんの顔を見たら…なんかわかった気がした…」
「え…?」

円を描いていた指が、ゆっくりと俺に近づいた。
その指が俺の腕を触った。

びくりと身体が揺れる。

「…翔くんは、俺が、好き?」


一番…知られたくないこと


喉が一気に干上がった気がした。
この世で誰にも知られたくなかったこと。
自分の恥部ですらあると思っている。

心の奥の更に奥に穴を掘って埋めている感情が、よりによってその本人によって暴かれるとは…

「…なにを…言って…」
「じゃないと、説明がつかない」

俺達は男同士だ。
男同士であんなことになってしまうなんて、そこに感情がなければ成立しない。

大体、物理的に俺の身体に変化が起こっている。
男同士では、通常ない変化なんだから…

潤の言うことに、なんの言い訳もできなかった。

「なんで…来たんだよ…そんなこと、確認するためにきたのか?」

目を手で覆いながら、なるべく感情を潤に読み取られないようにする。

「翔くんの気持ちじゃなくて…俺の方の確認に来たんだ」
「…え…?」
「俺は…彼女を愛しているよ?でもね…」

潤は俺の目を覆う手を取ってしまった。
まっすぐに俺を見つめると、にっこり笑った。

「それは、代わりだからだよ?」

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