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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない






乱れた服


ぐったりと横たわる白い肢体


瞳からは涙が溢れ出ていた





俺は何をしたんだ





泣きじゃくる潤を置いてマンションを出た


コンシェルジュが怪訝な顔をしていたけど、隠すこともできなかった。

そのまま車を出して、逃げるように家に帰った。

すぐに風呂に入って熱いシャワーを浴びた。

手が震えて止まらなかった。

「ごめん…ごめん…潤…」

何度手を擦っても潤の感触が消えなかった。
どんなに熱い湯を浴びても潤の声が消えなかった。

「ごめん…ごめん…」

だから…見ちゃいけなかったんだ…

だから…触れちゃいけなかったんだ…

こんなことになるってわかっていたのに。


眠れないまま夜を明かした。


朝の光が俺の身体を照らしても、何もすることができなかった。


ただ、どうすれば罪を贖えるのか


そればかり考えていた。

手の震えは止まらない。
身体の震えも大きくなってくる。

苦しくて、何度も胸をかきむしった。
だけど、潤のほうがもっと苦しい思いをしているはずで…

どうにもならない失望と、どうにかなってしまいそうな心の間で俺は揺れ動いていた。

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