第5章 こひくれない
「たまたま…頂いたりして、凄くいっぱいあったから…」
「ふうん…」
俺がくるからって用意してたわけじゃないのか。
あたりまえか…
「でさ…なんで今日はあんなことしたわけ?」
酔っているからか、ストレートに俺は聞いてしまった。
こいつはもっと回りくどく聞かないと、正直に言わないのに…
下手を打ってしまった。
案の定、潤はうつむいてしまって何も答えない。
「俺になんか話しがあったわけ?」
もうこうなってしまえば、押して行くしかない。
「別にさ、話があるんなら言ってくれたら…」
「来てくれないじゃん…」
「え?」
「翔くん、来てくれないじゃん…」
「そんなこと…ねえだろうが…」
意識して…
避けてる部分はある。
でもそれはしょうがないんだ
二人きりになると、俺…
何するかわからない。
今だって…
酒に逃げてないと、とてもじゃないけど一緒に居られない。
無言でパスタを平らげて、潤が持ってきてくれたワインのボトルからワインを注ぐ。
飲み干すと、潤は俺の方を見ていた。
「…俺に、なんか言いたいことあんの?」
「うん…」
「なんだよ?」
「俺、もう…正直になってもいい…?」