• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第5章 こひくれない


ヴィオレッタは、娼婦で…
欧米では娼婦は忌み嫌われる職業で、そんな女がまっとうな恋をして叶うはずがなかった。

だけど彼女は出会ってしまったのだ。
運命の相手に…

周囲からの反対、自分のやってきたこと。
すべてが障壁になって、二人の間を引き裂く。

そして命を燃やして、散り際。
最愛の男を手に入れて彼女は天に還っていく。

潤は…

なぜこの芝居に俺を誘ったんだ?
しかもあんな形で…

「翔くん、お酒飲む…?」

ぼけっとしていたら潤がソファの後ろに立っていた。

「飲んだら帰れなくなんだろ?」
「でも、明日もオフだよね?」
「そうだけど…お前大丈夫なのかよ?」
「俺は…大丈夫。福岡の分は東京のときにだいぶ詰めたし」
「いや、でも…」

ドンっとソファの前のローテーブルにワインのボトルを置かれた。

「今日は…泊まっていって欲しい」
「え…?」
「だから、飲んで?」

グラスを置くと、潤はまたキッチンに戻っていった。

ワインのボトルはもう栓が開けられていて…

「最初から飲ますつもりだったんじゃないか…」

ボトルを手にとってグラスにワインを注いだ。
燃えるような赤だった。

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp