第4章 エバーグリーン
「んだから…もう気にすんなよ。相葉さんは仕事に集中して…」
「ニノっ…」
さっきよりも強い力で抱きしめられた。
「く…苦しいって…」
「ごめんっ…ほんと俺っ…ごめんっ!」
「わあったからっ…苦しいから離せっ…」
そのまま相葉さんは泣き出しちゃって…
俺の肩びちょびちょなんですけど…
まだぐずぐず言ってる腕を剥がして顔を見上げた。
鼻の頭真っ赤にして…
「とんだトナカイさんだな…」
「え?」
「なんでもね。風呂、入ってるから行ってきたら?」
「うん…ありがとな?」
「いーえ。明日、それ着てってよ?ドームに」
「おう!勿論!」
相葉さんは丁寧にニットをたたむと、相葉さんのもの置き場にきちんとして置いた。
なんだかその姿は、子供みたいにかわいかった。
にへっと俺を見上げて笑うと、駆け足で風呂場に行ってしまった。
「たーんじゅん…」
くすくす笑いながら、ゲームをやり直した。
あんなに喜んでくれるなんて…
今日ぽっかりと空き時間ができたから、急いで買ってきた甲斐があった。
俺は相葉さんほどセンスはないけど、でも、相葉さんに似合うものならわかるくらいの目は持ってる。
きっとあのニット、とっても似合うはず。