第4章 エバーグリーン
暮れもだいぶ押し迫ってきた頃。
ほぼ相葉さんはうちに居た。
もうこれ、同居だろっていうくらい。
そのうち家賃請求してやろうかとか思うくらい居た。
そんでも、全然邪魔だなとか思わなくて。
不思議なんだけど…
今まで女の子といたら、途中でめんどくさくなっちゃって。
盛り上がってた時期が終わると、一人で居たいなって思うことが常で。
まあ、相葉さんは男だし友達だしで、そういうのと一緒にしちゃまずいとは思うんだけど。
とにかく一緒に居ても苦じゃなかった。
「おかえり」
今日は帰りを待ち受けていた。
帰ってきたのは深夜。
明日からドームだから、今日はお互い仕事が詰まってた。
それでもレギュラーの数が半端ない相葉さんだから、帰りは随分俺より遅かった。
「あ、まだ起きてたの?」
「うん」
「寝てるかと思ったのに」
笑いながらリビングに入ってコートを脱いでる背中に、物をぶつけてやった。
「痛っ…なんだよ!?いきなり」
「なんでもなーい」
そう言ってにやにやしてたら、床に落ちた物を拾い上げた。
「え?なにこれ」
「さあ…さっき、赤い服着た人が煙突から入ってきてさ」
「は?」
「相葉さんに上げるってさ」