第4章 エバーグリーン
「なに…?何のこと言ってるの?」
「7月のことだって…!俺、なんもできなかった…」
7月…俺のスキャンダルが出た時だ。
「だって別にあなたには何も…」
「そうだよっ…俺には関係ないけどさ…」
肩を掴まれて、顔を覗き込まれた。
「でもさ…何も言ってもらえないのって…結構キツイ」
「あ…」
誰にも心配かけたくなくて…
事務所からは事前に記事が出ること聞いてたけど。
でもそれは敢えて俺の口からはメンバーには伝えてなかった。
「ごめん…」
「いや…俺、ほんと役に立たなかったから…さんまさんの番組でなんもフォローできなかったし…」
「だって…そんなのっ…」
「ニノにはいつものことだったかもしれないけど…俺は…」
そこで相葉さんは俯いてしまった。
「ごめん…そんなに気にしてるなんて思ってなかった…」
「ああ…実際さ、ニノは俺なんかがフォローしなくても周りが勝手にフォローしてさ、何事もなかったようになって…」
「いや、そんなこと…」
「あるんだよ!もしあれが俺だったら…ああは行ってない」
「何いってんの…」
「うん…ごめん…何言ってんだろうな…」
そっと手が離れていった。
相葉さんの身体も離れていく。