第4章 エバーグリーン
「面白がってなんか…ふがっ…」
伊野尾が怒って有岡にヘッドロックを掛ける。
二人の後ろに座ってるジュニアくんたちがどうしていいのかわからないって顔してるのがおかしくて。
くすくす笑ってたら、有岡に睨まれた。
「二宮くん…笑い事じゃないんですからね…」
「わあってるよ…おまえら人数多いから大変だな」
「ほんとっすよ…まじで山田と中島がこの前…」
色々とこいつらも溜まってるらしく、グループや仕事の愚痴が止まらない。
ジュニアくんたちは、それを神妙な顔で聞いている。
酒も回ってくると若いだけに愚痴はなくなって。
俺の持ってるゲームに夢中になって深夜まで騒いだ。
途中で眠りこけてしまった伊野尾を、有岡が担いで帰ると部屋の中がシーンとした。
片付けはある程度ジュニアくんたちがやっていってくれたけど、こまごましたものは残ってた。
それを片付けてるときも、なんだか耳の中が静けさに慣れなくて。
音が恋しくなって消していたテレビを付けた。
「あ…」
そこにはあいつが映ってた。
にこにこして、飯を頬張る姿を少し呆然として眺めた。
なんてタイミングなんだよ…
舌打ちしたい気分になってテレビを消した。