第4章 エバーグリーン
『二宮くんー!今、マンションの近くっす!なんか買っていきましょうかー?』
電話の向こうで賑やかな声が聞こえる。
後輩たちが俺の部屋に遊びにくるのだ。
…あの日から、俺は一人で…
なんでこんなことになったんだろうなって今でも考えるけど、その答えは出ていない。
数分後、インターホンが鳴って後輩たちがやってきた。
「おじゃましまーす!あ!相変わらずゲームっすか」
「おじゃまします、これ、お土産です」
口々に言いながら賑やかにしてくれる。
気を使ってくれてるのはわかってるけど、今はそれがありがたかった。
「おい、飯尾。何飲む?」
「伊野尾だよ!って、もうこのネタやめません?」
「じゃあ、スキャンダルくん」
「いやあもう、それはもう勘弁して下さいよお」
「あほか、こんな短期間で2件もスキャンダル起こすなんて前代未聞だわ」
「反省してますってぇ…」
「それが反省してる声か」
「声ってぇ!?関係ないでしょおぉっ…」
いつもの如くヒックリ返る声に部屋中が爆笑に包まれた。
「いやあ、でもうちのNくんには敵わないっしょ…」
有岡がにやりと笑いながら声を潜める。
「おま、面白がんなよ!」