• テキストサイズ

カラフルⅣ【気象系BL小説】

第3章 萌葱-moegi- scene2


「そんな情けない顔しないの…智…」
「でも…俺、なんにもできなかった…」

ぎゅっと雅紀は俺の肩を抱き寄せた。

「俺もだよ…ほんと、情けない…」
「雅紀…」
「でもね…ニノや潤がなんで助けてくれたか…わかる?」
「え…?」
「智が、翔ちゃんのこと誰にも言わないで、ずっと一人で耐えてたからだよ?」

こつんと頭を付けられた。

「…俺達のこと、考えてくれてたんだよね…?智…」
「え…?」
「せっかく上手く行ってた嵐を、ぶち壊したくなかったんだよね…?」
「そう…だけど…でも、それは怖かったから…」
「嵐が壊れてしまうことが怖かったんだよね…?」
「うん…」
「みんなが頑張ってるから…それを台無しにするようなこと、できなかったんだよね…智は…」

そうなのかな…そこまで深くは考えてなかったけど…

「そもそも、翔ちゃんが悪いんだけどね…でも、そうやって耐えていた智を、あの二人はちゃんと理解したから、こんなことしたんじゃないかな…」
「雅紀…」
「……翔ちゃんのこと、許す…?」
「えっ…」
「俺は、許せない」

ぎゅっと肩を掴む手に力が入った。

「多分、一生許せない…だから、智も許す必要なんてないからね?」

/ 1000ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp