第3章 萌葱-moegi- scene2
そうか…許さなくていいのか…
背中にしょってたものが、すとんと軽くなった。
今まで、仲間なんだから…どこか許さなきゃ行けない気がしていた。
俺さえ我慢すれば、忘れればと…そう思ってた。
でも、無理する必要なんてなかったんだ…
「わかった!俺、許さない!」
雅紀はにっこり笑って俺のこと抱きしめてくれた。
「それでいい…それでいいんだよ。智…」
あったかい腕に包まれてたら、心底安心した。
そっか…これでいいんだ…
俺、このままでいいんだ…
雅紀が身体を離して俺を見た。
「だから、今度から翔ちゃんのこと、懲らしめてやろうぜ!」
「えっ…」
「ニノも潤もきっと協力してくれるよ」
こわい…末っ子たちどSだから…どんなことになるのやら…
「直接のお仕置きは…あいつらの仕事になるんだろうけどね…」
想像して、二人で苦笑いした。
「さ、智、寝ようか…後はベッドに入って喋ろう?」
「うん…そうだね…」
雅紀が当然のように俺の手を引く。
その繋いだ手は、とってもあったかい。
それがとてもしあわせに感じた。
小さな、しあわせ…
小さいけど、俺は絶対にこれを離さない。
そしてこの小さなしあわせをたくさんたくさん集めて、いつか、でっかいしあわせにするんだ。
天使は、振り返ると眩しい笑顔を俺に向けた。
【END】