第3章 萌葱-moegi- scene2
「翔ちゃんに…この前、襲われたの?」
「えっ…」
耳元で、雅紀の声が震えてた。
「あの日…だよね?服が破れてた…」
「雅紀…」
「翔ちゃん俺に言ってた…智は嫌がってなかったって…」
「そんなの嘘に決まってんだろ!?」
「わかってる…」
ぎゅっと雅紀が俺のこと抱きしめた。
「もしもそんなことになってたら…智は俺に身体を開けないと思うから…だから、ちゃんと俺、わかってるから…」
「雅紀…」
「でも…」
ぽたり、雅紀から涙のしずくがこぼれて床に落ちた。
「守れなくて…ごめん…」
「雅紀…」
「傍に居られなくて…ごめん…」
ぽたぽたと涙が次々に落ちてくる。
「謝るなよ…」
ずるっと鼻を啜る音が聞こえた。
「謝るなっ…」
身体を起こして雅紀を抱きしめた。
「俺がっ…俺がちゃんとはっきりしなかったから…だからこんなことになったんだからっ…」
「智…」
「雅紀のせいじゃないもんっ…!」
ぎゅううっと抱きしめてたら、いきなり床に押し倒された。
「智っ…」
足を大きく開いて、雅紀が俺の中に入ってきた。
「智っ…智っ…」
「ああっ…」
痛みが背中を走っていった。
「ごめんっ…我慢できないっ…」