第3章 萌葱-moegi- scene2
「俺、初めてなのにぃっ…」
「その初めて…あなたも誰かのを奪ったんじゃないの?翔さん…」
「え…?」
「忘れたとは言わせないよ?俺たち、知ってるからね…」
「おまえら…俺をハメたのかよ…」
「さあ…そう捉えるかどうかは…翔さんの自由だよ」
潤がいきなり前のめりになった。
「どうしたの?潤くん…」
「っ…く…だめだ…これ、ヤバイ…」
「いやぁっ…抜いてっ…潤っ…」
「…るせー…やめられっかよ…今更…」
ニノにすがりつく翔くんの右肩を持って、いきなり潤は突き上げた。
「あああっ…」
「ほら…あんたもココで気持ちよくなれよっ…」
「やだぁっ…やだやだぁっ…」
「俺達の…ためなの…?」
雅紀がぎゅっと俺の肩を掴んだ。
「うん…多分そうだと思う。二度と翔ちゃんにあんなことさせないように…考えてくれたんだと思う…」
「そんな…」
ニノは元々バイだけど…潤なんてストレートなのに…
「俺たちだけじゃなくって…翔ちゃんにも、もうあんなことさせたくないんだろうね…」
二人の気持ちに、涙が出そうになる。
「智…泣かないの…」
雅紀が優しく俺を抱きしめてくれる。
そのあったかさが、染みてくる。