第3章 萌葱-moegi- scene2
ニノはなにやら考え込む顔になってしまった。
「で、なんでニノが心当たりなの?潤…」
「ああ…うん…ニノね」
「潤くん、俺から言います」
ぎゅっとニノはビールを飲み干した。
「俺はあの人とセフレなの」
「は?」
「だーかーらー…セフレ」
「え?だって…え?」
「ま、わかんなかったでしょうがね。俺、男でも女でも両方イケるんで」
「それはなんかわかってたけど…」
「わかってたんかい」
「まあまあ、でね。俺はそれを知ってたから、ニノなら翔くんのことわかるかと思って話してみたんだ」
「そうだったんだ…」
ニノはちょっときまり悪そうにしてたけど、すぐ気を取り直した。
「私、多分あなたの代わりにされてたんですね」
「えっ?」
「ちょうどね。翔さんとそういう関係になったの、5年前なんですよ」
「そんな…」
「ああ…別に傷ついたりとかしてませんよ?だから説明つくじゃないですか…一回こっきりのあとなんもしてこなかったんでしょう?」
「うん…」
「私に手を出したから、一応満足してたんだと思いますよ?」
「ああ…そういうことね…」
潤も俺も眉間にシワを寄せてしまった。
「でも、雅紀とリーダーが付き合ってるのを知って、蓋をしてたものが開いちゃったんだろうな…」