第3章 萌葱-moegi- scene2
「とにかく突然で…結局俺、ヤられちゃったんだけどさ…」
「ってあんた…なんでなんにも言わないのよ!」
「だって…お前、言えるか?メンバーにレイプされましたってさ…」
「私だったら言っちゃうと思いますがね」
「お前みたいに心臓に毛生えてねーわ」
「ひど…認めますけど」
「認めるんかい…」
「まあまあ、で?それから…?」
潤が割って入ったから、続きを話そうと思ったけど…
「いや…その日からさ、なんもなかったの」
「え?」
「次に会った時、全く態度が変わらなくて…だから、俺、あれは夢だったんじゃないかって思うくらいだった」
「へえ…」
「でも俺は、立ち直れなくて…雅紀が俺を好きなことは気づいてたけど、あんなことされたから真剣に向き合うこともできなくて…」
「へえ…それでなんで付き合うことになったんですか…?」
「…雅紀が、ずっと…優しかったから…」
「え?」
「ずっとね…俺が振り向くまで、ずーっと待ってたんだよ…あいつ…」
「相葉さん…優しいからね…」
ニノがにこっと笑った。
「うん…あんな優しいやつ…会ったことない…」
「それで…ほだされちゃったってわけだ」
「ほだされたってわけじゃないけど…いつの間にか俺も好きになってたってだけで」