第3章 萌葱-moegi- scene2
「え…?なんで…?なんで…」
「いや、理由はわからないけどさ。でも、最近の雅紀の様子、おかしいよね?てっきり、リーダーと喧嘩でもしてんのかと思ってたけど、そうでもなさそうだし…」
そんな…様子がおかしかった…?
確かに俺に会いたがらなくなった。
でもそれは忙しいからだって…鍵も返さなくていいって言ったし…
「翔くんと会ってるときの雅紀の顔、すごく暗かった。だから…もしかして、翔くんと雅紀の会ってる理由って、リーダーのことなのかなって…そう思って…」
なんで…?なんで?雅紀…
なんで俺に何も言ってくれないの…?
「…わかん、ないけど…」
呟くと、潤は顔を上げた。
「どうしよう…絶対に、なにか良くないことが起こってる気がする…」
「リーダー…」
身体がまた震えてきた。
壊される。
そう思った。
根こそぎしあわせを奪い取られる気がした。
あの時みたいに。
信じてたのに。
友達だって思ってたのに。
誰も信用できなくなった。
俺なんて価値が無いように思えた。
あんな扱いされるくらい、俺はなんの価値もない人間なんだと思った。
「どうしよう…どうしよう…潤…」