第3章 萌葱-moegi- scene2
「リーダー…落ち着いて…?」
潤が俺に近づいてきて、コーヒーのカップを俺の手に握らせた。
あの闇から救ってくれたのは、雅紀だった。
何年も俺はその思いに気づいていたけど、応えることはできないって思ってた。
時には冷たい態度を取ったりもしていた。
でもそれでも…雅紀は優しく、優しく…
俺のこと、ずっと好きで居てくれたんだ。
だから俺も…
「さ、ちょっと飲んでみてよ?これ、美味しいよ?」
潤がカップを俺の口元に持ってきた。
少し飲んでみたら、しょうがの香りが口の中に広がった。
「身体、あったまりそうでしょ?」
「うん…」
優しく微笑むと、俺の頭をくしゃっと撫でた。
「俺にできることあったら、なんでも言ってよ」
「潤…」
「何が起こってるのかわからないけどさ…無理矢理は…だめだよなあ」
そう呟いて潤は俺を見た。
「リーダー、協力するよ」
とにかく、何が起こっているのか知らなきゃいけなかった。
潤はちょっと心当たりがあるから、暫くは動かないでって言って帰っていった。
その日は動く気にもならないから、そのままソファでうずくまってたら、夜中になって雅紀が来た。
俺のことぎゅうっと抱きしめて、そのまま泣いた。