第3章 萌葱-moegi- scene2
ファミクラの会報のインタビューを受けて、そのまま次の企画とかの打ち合わせをした。
結構な時間を本社で過ごして、昼飯も食べて午後になった。
「あ、大野さんちょっとマネージメント部行ってきます」
マネージャーが席を外して、一人になった。
会議室はだだっ広くて。
でっかい窓から下を見下ろすと、建物がレゴブロックみたいに見えた。
「前の本社とは全然ちがうな…」
そう呟いて下を見ていたら、会議室のドアが開いた。
マネージャーが戻ってくるには早いなと思って振り返ったら、そこに立っていたのはあいつだった。
「え…?なんで…」
カチャっと音がした。
後ろ手に鍵を締めたんだとわかった。
じっと俺を見ながら、近づいてくる。
「く…くんなっ…」
「なんでそんなこと言うのさ…」
くっと笑って更に近づいてきた。
そのまま俺を窓ガラスに押し付けて、顔を近づけて来た。
「なにすんのっ…やめてっ…」
「雅紀と何回シたの?」
「やだっ…やめてっ…」
なんで?なんでここにいるの?
頭が混乱して身体を突き飛ばして逃げた。
でも足に力が入らなくて、その場に俺は倒れてしまった。
「なんでわからないの?」