第3章 萌葱-moegi- scene2
雅紀が起き上がって、俺を見下ろした。
「智は…俺のためだけに、生きてればいい」
「雅紀…」
「なんももう、考えんな…」
突然、雅紀が俺の中に押し入ってきた。
「ああっ…雅紀っ…」
「ほら…ね、俺が居るよ…?ここにいるよ?」
「うんっ…うんっ…」
「智と俺…一つになってるよ…」
「うんっ…嬉しいっ…」
ベッドに肘を付きながら、腰を押し出して来る雅紀の腕。
引き寄せて肩に噛み付いた。
「痛っ…」
苦痛に眉を顰めるけど、こうしたくてしょうがない。
だって雅紀は俺のものなんだから…
俺だけの雅紀なんだから…
「ね…」
「ん…?」
「雅紀も…俺以外のこと、考えないで…」
「ああ…」
「俺だけのために、生きてくれる…?」
「うん…智の、ために…」
ぎゅうっと抱きしめられた瞬間、最奥まで突き上げられた。
「ああっ…雅紀っ…」
「智のことだけ考えてるよ」
「雅紀…嬉しい…」
ずるりと抜け出すと、また突き上げられた。
がくんっと視界が揺れる。
「全部智にあげる…全部…」
「俺もっ…全部、雅紀にっ…」
身体を起こした雅紀に腰を持ち上げられて、そのまま長い時間身体を揺さぶられた。